はじめに
ここ数年、NFT(Non-Fungible Token)は急速に注目を集めています。デジタルアート、ゲームアイテム、音楽などの所有権や価値をブロックチェーンに記録し、売買できるようになったのです。NFTトレーダーにとって、適切なウォレットを選ぶことは非常に重要です。NFTはブロックチェーン上の資産なので、安全に保管し、スムーズな取引ができるウォレットが必要不可欠だからです。本記事では、NFT取引におすすめのウォレットをご紹介します。
ウォレットの種類
NFTを扱うためのウォレットには、ホットウォレットとコールドウォレットの2種類があります。それぞれの特徴を理解しましょう。
ホットウォレット
ホットウォレットはインターネットに接続された状態で使用するウォレットです。Web、デスクトップアプリ、スマートフォンアプリなどの形態があり、NFTの取引に利便性があります。一方で、ハッカーの標的になりやすいというデメリットもあります。
代表的なホットウォレットには以下のようなものがあります。
- MetaMask: イーサリアムブロックチェーンに特化したブラウザ拡張機能ウォレット。NFTマーケットプレイスとの連携に人気。
- Coinbase Wallet: 米国の大手仮想通貨取引所が提供するモバイルウォレット。セキュリティが高く、NFT取引に適している。
- Trust Wallet: 使いやすいインターフェイスが特徴のマルチチェーンウォレット。NFTのみならず、デファイなども活用できる。
コールドウォレット
コールドウォレットはインターネットから切り離された状態で使用するウォレットです。ハードウェアウォレットやペーパーウォレットなどがこれにあたり、ハッキングリスクが低いのが大きな利点です。一方で、取引の度にウォレットにアクセスする手間がかかります。
有名なコールドウォレットには以下のようなものがあります。
- Ledger Nano: フランス発のハードウェアウォレット。NFTだけでなく、様々な仮想通貨の保管に使用できる。
- Trezor: チェコ発のハードウェアウォレット。セキュリティに優れており、NFTの長期保管に適している。
ウォレットの選び方
NFTウォレットの選び方には、いくつかのポイントがあります。安全性、使いやすさ、対応ブロックチェーン、運営元の信頼性などを総合的に判断する必要があります。
セキュリティ
NFTウォレットの最重要ポイントは、セキュリティです。NFTの価値が高ければ高いほど、セキュリティ対策は重要になります。ホットウォレットよりコールドウォレットの方が安全性が高いですが、利便性が劣ります。一般的には、ポートフォリオの一部をコールドウォレットに保管し、残りをホットウォレットで運用するのがベストプラクティスとされています。
運営元の信頼性も重視すべきです。大手企業が提供するウォレットの方が、セキュリティ面で安心できます。また、マルチシグ機能やバックアップなど、様々なセキュリティ機能を提供しているウォレットを選ぶのも賢明です。
使いやすさ
NFTウォレットは、取引の際に常に使用するツールです。そのため、使いやすさは機能面でとても大切なポイントになります。UIがわかりやすく、操作が簡単なウォレットがおすすめです。スマートフォンアプリなら携帯性も重要になってきます。
ウォレット名 | 使いやすさ |
---|---|
MetaMask | ★★★★☆ |
Coinbase Wallet | ★★★★★ |
Trust Wallet | ★★★★☆ |
Ledger Nano | ★★★☆☆ |
上記の表は、主要ウォレットの使いやすさを★で評価したものです。Coinbase Walletのように、シンプルでわかりやすいUIを備えたウォレットが使いやすさに優れています。
対応ブロックチェーン
取引したいNFTのブロックチェーンに対応しているウォレットを選ぶ必要があります。例えば、イーサリアムネットワーク上のNFTを取引したい場合、MetaMaskなどのイーサリアム対応ウォレットが適切です。一方で、複数のブロックチェーンに対応したマルチチェーンウォレットを選べば、様々なNFTに柔軟に対応できます。
また、今後の展開を見据えて、成長が見込める有望なブロックチェーンにも対応しているウォレットを選ぶのがおすすめです。
おすすめのウォレット
ここまでご紹介した項目を踏まえて、NFT取引におすすめのウォレットをいくつかご紹介します。
MetaMask
MetaMaskはイーサリアムブロックチェーンに特化したホットウォレットで、最もポピュラーなNFTウォレットの一つです。OpenSea、Rarible、SuperRareなど、主要NFTマーケットプレイスに対応しており、取引に最適です。ブラウザ拡張機能という形態なので、PCでの取引が可能です。UIはわかりやすく、初心者にも使いやすいでしょう。
一方で、セキュリティ面ではホットウォレットという性質上、リスクが高いのが欠点です。そのため、高額なNFTの保管にはあまり向いていません。
Coinbase Wallet
Coinbase Walletは、大手仮想通貨取引所CoinbaseのNFTウォレットアプリです。iOS/Androidに対応したスマートフォンアプリで、セキュリティと使いやすさを両立させています。ユーザーインターフェイスがシンプルで初心者に優しく、二要素認証などのセキュリティ対策も万全です。
大手取引所が提供するウォレットならではの信頼性がCoinbase Walletの強みです。ただし、ホットウォレットであるため高額なNFTの保管には不向きな点は、MetaMaskと同様です。
Ledger Nano
Ledger NanoはLedger社が提供するハードウェアウォレット(コールドウォレット)です。ハードウェアウォレットはセキュリティが非常に高く、NFTはもちろん仮想通貨の長期保管にも適しています。小型のデバイスに秘密鍵が記録されるので、インターネットに接続されないためハッキングリスクが極めて低いのが大きな特徴です。
欠点は、NFT取引時の操作が面倒であることです。デバイスにアクセスする必要があり、取引のたびに手順を踏まなければなりません。そのため、頻繁な取引には向きませんが、プレミアNFTの保管用ウォレットとしては最適といえるでしょう。
まとめ
NFTの世界がますます盛り上がる中、適切なウォレットを選ぶことがNFTトレーダーにとって極めて重要になっています。本記事でご紹介したように、セキュリティ、使いやすさ、対応ブロックチェーンなど、様々な観点から総合的に判断する必要があります。初心者にはMetaMaskやCoinbase Walletがおすすめですが、長期保管目的ならLedger Nanoのようなハードウェアウォレットを活用するのが安全です。
NFTは新しい分野なので、今後も有望な新しいウォレットが登場する可能性があります。常に最新の情報を収集し、自分のニーズにあったウォレットを使い分けていくことが大切でしょう。NFTトレーダーの皆さん、本記事を参考にぜひ最適なウォレットを見つけてください。
よくある質問
NFTウォレットにはどのようなものがあるですか?
NFTを扱うためのウォレットには、インターネットに接続されたホットウォレットと完全に隔離されたコールドウォレットの2種類があります。ホットウォレットはMetaMaskやCoinbase Walletなどが、コールドウォレットはLedger NanoやTrezorなどが代表的です。
NFTウォレットを選ぶ際のポイントは何ですか?
NFTウォレットを選ぶ際のポイントは、セキュリティ、使いやすさ、対応しているブロックチェーン、運営元の信頼性などです。高額なNFTの保管には安全性の高いコールドウォレットが適しており、日常的な取引にはホットウォレットが便利です。
MetaMaskとCoinbase Walletの違いは何ですか?
MetaMaskはイーサリアムブロックチェーンに特化したホットウォレットで、NFTマーケットプレイスとの連携が便利です。一方、Coinbase Walletはスマートフォンアプリ形式のホットウォレットで、シンプルでわかりやすいUIが特徴です。両者ともセキュリティ面では注意が必要です。
Ledger Nanoはどのようなウォレットですか?
Ledger Nanoはハードウェアウォレットのひとつで、ハッキングリスクが極めて低いコールドウォレットです。NFTだけでなく、様々な仮想通貨の長期保管に適しています。ただし、取引の際にウォレットにアクセスする必要があり、操作が面倒な点が難点です。
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